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年の瀬 ジャメヴ

明日で生業(すぎわい)のほうは仕事納め。
毎年この時期にきまって遭遇するのはジャメヴ(未視感)。
何故か「懐旧の念」と「諦念」が一気に襲いかかってくる。
しかしたった一度の眠れぬ夜とともに葬り去ることができるのだ。

眠れぬ夜には脳髄が沸騰する。
目まぐるしい懐旧プロセスでメモリーはいっぱいとなり、観念までの演算が破綻する。
破綻するから諦めて、諦めるからまた別の場所を探そうとする。
懐旧プロセスでは次々と人の顔や「思い」に再会することになる。
煮詰まらないと浮き出てこなかった泡ぶくのような記憶たち。

そのなかには、まだ目が蒼かった十代の頃にとらえていた「世相」のこと。
その「世相」の裏側に潜んでいた巷間の「法」や非情な仕打ち。
生存競争の場裏から逃れられない「私」。
揮発しそうで実は揮発することのない「瑕」ともいえる記憶たち。

そうだ、来し方は多分誤っていない。
ただどうしようもないくらいにやるせないだけなのだ。
ある種の集団催眠状態に陥っている「年の瀬」というものにやるせなさを感じて、またこいつを転換していくことだ。
つまり、そのときの己れの「覚醒」に驚愕する。
毎年。
よくも毎年。
繰り返すことよ。
でも、いつも初めて。
どの年の「年の瀬」もはじめましてで「初めて」なのだ 。

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