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天むす

朝刊に石屋製菓の石水勲会長の訃報。

思い浮かんだのはすすきのの天婦羅「石水」で〆で食べた天むすのこと。

生まれて初めて食べたその味はもちろん小海老そして柴漬け・白胡麻・海苔、たぶん煎り酒の風味。

〆の天むすが格別美味しかったあの饗応は食べものというものを無心に賞味した貴重な経験であり鮮烈な出来事だった。

食は良いもの、なのだと、わかった。

二度目の天むすも「石水」だった。そのときは石水社長(当時)の奢り。

あんな見窄らしい大学生を夜の世界では友達扱いしてくれた社長はいつも「リアルお菓子の家」を語っていた。

構想の場所はどこが良いだろうかと問われたところで当然答えられない若造。彼の世界は至極狭い。

札幌西インターのところの北海製罐所有地が薄気味悪い場所だった頃のすすきの夜話。

そんなことも天むすから連想して思い出してしまう。

石水さんを偲ぶとき、見解はこうだ。

どんな人も死ぬまでにはヘンゼルとグレーテルの童話を必ず読んだほうがいい。

と、まあ、このへんにしておこう。(と思います)

 

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