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中世の書物の中には旧字の「國」・」は併用されていた形跡があるようです。

」は囗の中に王がいる「くに」であり、戦前戦中の帝国主義を表現した漢字だという理由で、昭和21年11月16日に内閣告示された当用漢字表では旧字の「國」が収録されました。

さらに昭和24年4月28日に当用漢字字体表が内閣告示された結果、新字の「国」が当用漢字となり、旧字の「國」は当用漢字ではなくなってしまいました。

その際、囗の中に王を書く「」は当用漢字になれず消えていったわけです。

漢字ドリルでこの「」 を書くとペケとなるのはこんな経緯があったからです。(いや、点が足りないよ、で減点かな?でも残念ながらペケです。)

「或」も元来「くに」という意味を示す文字です。

その「或」を (城壁を意味している) で囲むことで強力な「くに」を主張する文字となり、この文字の意味するところは<領土>が国家にとって重きをなすという考え方を象徴的な表記によって今に伝えてきました。

国家とは<領土>。

もしこの機微を理解する新聞があったら、隣国(隣國)のことを「中華人民共和國」または「中國」、「大韓民國」または「韓國」と表記すべきではないでしょうか。(各新聞の違いが際立ちます。実際はそんな表記が採用されてはならない ... ニュアンスの問題 )

現状これらの隣国は囗 (領有範囲) を拡大しようとして私たちの「くに」を脅かす存在であり常に友好関係を築いていかなければならない相手。残念ながら、この現状認識は重要です。

さて、公党の総裁選挙が事実上始まってしまったので、一部のメディアが国家観みたいなものを候補者となる政治家に求めるむきがあります。

そういう求めや質問をする人たちこそ、国家とは<領土>なのか、それとも国家とは<民>なのか、まずはそこのところをはっきりさせてから質してほしいと私は考えています。この責任は重大です。

政治家とメディアが共謀して都合が悪くなってから根拠を捻じ曲げる風潮をつくってはならないのです。

消えていった「囯」の文字が意味するところとは、そういうことです。

 

 

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